2019/01/03

コースガイド② 琵琶湖第1疏水 第1トンネル東口~第1トンネル西口

📗 琵琶湖疏水ウォーキングコースとは
📘 コースガイド① 琵琶湖第1疏水 取水口~第1トンネル東口
📘 コースガイド② 琵琶湖第1疏水 第1トンネル東口~第1トンネル西口
📘 コースガイド③ 琵琶湖第1疏水 第1トンネル西口~諸羽トンネル西口
📘 コースガイド④ 琵琶湖第1疏水 諸羽トンネル西口~第2トンネル東口
📘 コースガイド⑤ 琵琶湖第1疏水 第2トンネル東口~蹴上インクライン

🏃第1トンネル東口

琵琶湖第1疏水は、長等山(標高354m)をトンネルで抜けます。その長さは、2,436mで、当時は完成を危ぶむ人が多い難工事だったそうです。ウォーキングコースは、小関峠(こぜきとうげ)を越えていきます。「第1トンネル東口」との標高差は約100mですので、坂道の傾斜はそれほど急ではありません。

琶湖第1疏水 第1トンネル東口


近江国から山城国へ越えるには、東海道の逢坂越え「大関越え」と「小関越え」の2つの道がありました。大関越えは、旧東海道と奈良街道とが分岐する追分から逢坂山の南の鞍部を通り、大津(打出浜付近)に出る道です。東海道と東山道が通る逢坂関(おうさかのせき)を大関と呼ぶのに対し、これから歩く逢坂山の裏道は「小関越え」と呼ばれました。

「小関越え」は、園城寺(三井寺)から山を越えて藤尾(大津市)で東海道と合流します。小関峠(地蔵堂)までは、約1.5km、徒歩25分です。舗装された車道ですので、歩きやすいです。まずは南下し、1200年の歴史を持つ「長等神社(ながらじんじゃ)」を目指します。

🏃長等神社(ながらじんじゃ)

コースは、長等神社の正面を通ります。鮮やかな朱塗りの楼門が迎えてくれます。楼門は、明治38年(1905年)に竣工したものですが、室町時代頃の様式にのっとった秀作で、明治時代の楼門の代表作ですぐれた姿をしています。(出典:滋賀県神社庁)春には、見事な紅枝垂れ八重桜が境内を彩ります。


神社の正面で道が3方向に分岐していますが、鳥居の見える方向はコースからそれてしまいます。残りの2本の道は、どちらを進んでもかまいませんが、真ん中の道を進みます。少し歩いて住宅街を抜けると小関峠に向かう道に出ます。そこで右に曲がりますが、道の脇に石造の「小関越」の道標があるので、探してみてください。すぐに緩やかな坂道になり、「新光寺」と「等正寺」の2つの寺の門前を通ります。



百々川(どどがわ)沿いにしばらく住宅街やお寺の墓地の脇を進みますが、やがて民家もなくなり、緑に囲まれた山道になります。時々車が通りますので、油断して道の真ん中を歩かないでください。途中で左に分岐する道がありますが、老人ホームに向かう道ですので、無視してまっすぐ進みます。



峠の途中に「小関越えハイキングコース入口」の案内板が立っていますが、園城寺(三井寺)の観音堂に通じている登山道ですので、別の機会に歩いてみてください。コースの車道は、西大津バイパス(国道161号)の藤尾奥町ランプに通じています。

車道には街灯がありませんので、遅い時間に歩かないように注意してください。いかにも野生動物が飛び出してきそうな道ですが、大津市のホームページで確認した限りでは、この付近でツキノワグマが目撃された例はないようです。



🏃小関峠(地蔵堂)

小関峠のピーク付近には、喜一堂という「地蔵堂」があります。道路の拡幅工事の際に見つかった地蔵を祀るため、平成元年に地元の方々が浄財でお堂を建立されたそうです。お供えの花や掃除が行き届いており、大切にされているのがよく分かります。「地蔵堂」の手前の数10mからやや傾斜がきついですが、距離が短いので心配には及びません。息をきらせないように、ゆっくりと歩いてください。



「小関峠」から次の目標の「第一竪坑」までは、約500m、徒歩5分です。「地蔵堂」からすぐの所に分岐があります。下の写真のように、琵琶湖疏水の案内板が設置されていますので、分岐の道を見落とす心配はありません。左の簡易舗装された細い道を進み、坂を下っていきます。この先のコースにもう上りはないので安心してください。



🏃第1竪坑(だいいちたてこう)

分岐から坂道を下っていくと、「第1竪坑(シャフト)」に着きます。第1トンネルの工事は、山の両側から掘っていくほかに、山の上から垂直に穴を掘り、そこから山の両側に向けて工事を進めていく竪坑(シャフト)方式が日本で初めて採用されました。(出典:京都市上下水道局パンフレット「琵琶湖疏水」)第1トンネルの掘削はほとんど人力により行われ、新型のポンプを次々に導入して湧水を克服し、明治22年に貫通し、翌年に完成しました。

「第1竪坑」はフェンスで囲まれており、間近で見ることはできません。第1竪坑の深さは45m、地上部の直径は5.5mに及びます。トンネル内の空気取り入れと明り取りを目的に掘られた「第2竪坑」は、この先の普門寺から寂光寺に向う道の途中の右側にありますが、民家の庭の奥にあるので間近で見ることはできません。道路からは見えないため、案内板もありません。



🏃普門寺(ふもんじ)

「第1竪坑」から次の目標の「第1トンネル西口」までは、約850m、徒歩15分です。「第1竪坑」からさらに坂道を下っていくと、「普門寺」の脇に出ます。頭上には、西大津バイパスが通っています。ここにも琵琶湖疏水の案内板が設置されているので安心です。下の写真は、正面にまわって撮ったものです。

「普門寺」は浄土真宗本願寺派の寺で、無断で敷地内に入れないように囲いがしてありますので、拝観はされていないようです。川の流れに沿って進むと、「普門寺」の先で右に分岐する道がありますが、そのまま川沿いの道を進みます。



川沿いの道は、大津市藤尾奥町の住宅街を抜けていきます。途中で川から離れますが、そのまま道なりに進みます。「寂光寺」の前を通り過ぎると、右から来る道と合流しますが、そのまま進みます。すぐにローソンの看板が見えてきます。

なお、「寂光寺」の旧本堂には、幅7m・高さ3mの巨大な花崗岩に阿弥陀如来など15体の仏像が彫刻されている藤尾磨崖仏(大津市指定文化財)があります。藤尾磨崖仏は鎌倉時代の作と考えられており、拝観する場合は電話で予約が必要です。

🏃ローソン藤尾小金塚店

木製の道標が設置されている分岐で横断歩道を渡り、「ローソン藤尾小金塚店」の前を進みます。この先のウォーキングコース周辺にはコンビニはありませんので、必要なものがあればここで買っておかれると良いでしょう。



ローソンからすぐに琵琶湖疏水の敷地を囲むフェンスが見え、「第1トンネル西口」に着きます。「第1トンネル西口」を見てドロップアウトする場合は、分岐まで戻り、上の写真の道を直進します。京阪電車京津線の「追分駅」までは、徒歩15分です。

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